株式会社 山口新建木材センター

新規設備で「天然葉枯らしハイブリッド乾燥佐賀県産木材」を開発

 当社は1946(昭和21)年、先々代が佐賀市富士町で始めた製材業を母体とし、1951(昭和26)年に佐賀市本庄町に移転、1961(昭和36)年に「山口新建材」として設立しました。佐賀市・小城市・神埼市を中心に、地元の工務店や大工さん向けの木材・建材の卸業と製材業を営んでいます。
 平成初頭まで、住宅の建築にあたっては地域の大工さんが活躍していましたが、1993(平成5)年頃には大手住宅メーカーが佐賀県内に参入。それに伴って多くの地場工務店は縮小、転業、廃業を余儀なくされました。取引先である地場工務店や大工の繁栄なくして、当社の繁栄はありません。工務店や大工、住宅機器メーカーと一緒にイベントや勉強会を開催したり、地元の建築業界の活性化に向けた取り組みを行っています。



代表取締役会長 山口 誠二



本事業への取り組みの経緯

 大手住宅メーカーは、それぞれに特色を打ち出した画一的な企画住宅販売が主流です。完成したときのイメージを住宅展示場で確認できるので安心感があるという点も強みといえます。当社では、取引先である地場の工務店や大工が大手住宅メーカーとの差別化を図り、地元で需要を増やすための柱として「木の良さをいかし個別の嗜好と大工の技術が反映される家づくり」「施主のライフスタイルを意識し、将来の増改築を最小限に抑え安心して暮らせる家づくり」「県が推奨する地産地消と二酸化炭素排出量の削減に貢献」の3つを掲げました。
 強い虫菌害耐性、良い色つや、曲がり狂いが少ないという特徴を持つ「天然葉枯らし乾燥県産木材」の供給強化は、当社が先述の3つの柱を推進していくために欠かせない要素であると考えます。そこで、地元業界の活性化にもっと貢献するべく、「天然葉枯らし乾燥県産木材」の生産効率アップを目的に「木透湿ハイブリッド乾燥機」の導入を決めました。


実施内容(取り組みの詳細)

「天然葉枯らし乾燥県産木材」は、伐採時に木の先端を山頂に向け、葉を付けたまま寝かせることで樹体内の水分を自然に蒸発させるという、化石燃料がない時代の方法で作ります。人工乾燥の木材と比べて強度が高く、耐震性に優れるのが特長です。ただし、自然乾燥は時間がかかり、一次乾燥と二次乾燥の2段階があるので、伐採してから木材として使用できるまで最低1年を要します。
 そこで「木透湿ハイブリッド乾燥機」を導入。ヒトの細胞内での水移動における細胞膜チャネル理論を木に応用した低温乾燥機です。細胞を破壊しないため、木材のねじれが少なく色つやも良く仕上がります。高強度の建材としてだけでなく化粧材としても良質です。




取り組み成果・波及効果

 一次自然乾燥した「天然葉枯らし乾燥県産木材」を製材加工して木透湿ハイブリッド乾燥機を使用した結果、これまで6カ月も必要だった二次乾燥期間が1カ月に短縮されました。納期短縮により顧客ニーズの対応はもちろん、生産拡大が可能となり地場工務店などへの安定供給も実現。
 また、「天然葉枯らし乾燥県産木材」や「天然葉枯らしハイブリッド乾燥佐賀県産木材」を柱や梁、床板などの仕上げ材に使用することで、天然の素材の香りに癒される温かみのある住宅になります。
 多くの利点を備えた「天然葉枯らしハイブリッド乾燥佐賀県産木材」を製品化することで、地域の工務店や大工さんの活性化にもつながると期待しています。





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事業所の魅力をさらに深掘り!

Q:御社について教えてください

A:木材の特性を知り尽くした強みをいかす製材業と、木材・建材の卸しを営んでいます。豊富な実績に基づいた「感動リフォーム」も好評です。


Q:御社の経営理念は

A:お客さまに喜ばれることが自分たちの喜びであり、お役立ちを高め、感動を与え続ける。


Q:アピールしたいことは

A:一生涯安全に住み続けられる住まい、社会資本になるような住まいの提案も行っていきたいです。


Q:興味をひかれたお客さまにひと言

A:地場の工務店や大工さん、林業生産者などとともに活躍の場を広げていきたいと思います。


今後の展望・活動予定

 大手住宅メーカーの企画住宅は根強い人気があります。その一方で近年は、むき出しの梁を備えたり、さまざまな趣味に特化した家など、個性的でこだわりのある家づくりの需要が高まっているようです。そんなときにこそ地場の工務店や大工さんの腕の見せどころではないでしょうか。
 今後、住宅の取得やリフォームを考えている方が「天然葉枯らしハイブリッド乾燥佐賀県産木材」のメリットを知り、それを扱う地場工務店や大工に工事を発注してくれるようになれば、地域の建築業界の活性化につながります。県産材は豊富にありますから、「天然葉枯らしハイブリッド乾燥佐賀県産木材」をぜひ佐賀県民に消費してほしいですね。また、ブランド化して海外にも販路を広げていければと考えています。



INFORMATION




株式会社 山口新建木材センター

代表取締役:山口誠一郎

住 所:佐賀県佐賀市新中町8-20

連絡先:TEL0952-30-2388/FAX0952-32-2889

U R L : 株式会社 山口新建木材センターのwebサイトはこちら

資本金:3,000万円

設 立:昭和26年4月

従業員:14人

Saga Monodukuri /木材・木製品製造業(家具を除く)
平成30年度補正/一般型・革新的サービス

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