株式会社 鹿島製作所
最新機器の導入で時間と生産性を抜本的に改善
一般産業機械部品を加工する金属加工業を営んでいます。主力事業は、中から大サイズ(数10cm~数m)の材料を削る「切削加工」です。切削加工には「旋盤加工」や「フライス加工」「マシニング加工」「研磨加工」などさまざまな加工法がありますが、当社はすべてに対応可能です。これだけの加工を幅広くこなせる業者はほかにほとんどなく、我が社の大きな強みとなっています。
従業員は次世代を担う30代から経験豊かな60代まで熟練工25人が所属。多様な生産業務にも対応可能です。 生産した部品は土壌改良業界や造船業界などに広く供給されています。


本事業への取り組みの経緯
近年の環境保全意識の高まりとともに、環境事業関連部品の受注が増えています。さらに、地球温暖化による集中豪雨、頻発する地震による災害からの復興や、経済成長著しい東南アジアなど海外インフラ構築のためには土壌改良は必須で、今後も需要が高まることが予想されます。実際に平成24年の九州北部豪雨や平成28年熊本地震以降、それ以前に比べて当社の土地改良関係の受注数量が1.5倍に増えました。
土壌改良器の大型化に伴い、メーカーからは精密な部品加工と納期短縮の要望が出てきました。しかし当社の従来の機器では対応が困難でした。そこで新しく機器の導入を決めました。
実施内容(取り組みの詳細)
課題は新型土壌改良器の油圧関連部品「スイングベース」に使用する部品の加工です。±0.01mmの精度で穴加工をするなど精密な作業が必要で、これまで「横中ぐりフライス盤」を使用してきました。しかし、穴を開けるまでにゆがみが生じたり、何回も段取り替えが必要だったりして、完成には時間がかかっていました。最後に熟練の職人がさらに時間をかけて手直しをして微調整。それでようやく加工精度基準を満たすという状況でした。
そこで作業工程の改善のために導入したのが「立型マシニングセンタMILLAC852VⅡ」です。ちょうど加工方法の変更を検討していたところにタイミングよく補助金の申請時期が重なったので、申請して補助を受けることができました。
取り組み成果・波及効果
立型マシニングセンタでは、これまで横中ぐりフライス盤では困難だった凹凸構造の穴開けを±0.01mmの高い精度かつ1回で加工ができるようになりました。加工物のねじれや傾きを制御し、熱変異を予測して補正することもできます。これまで13時間かかっていた加工時間は2.25時間へと大幅に短縮できました。
この導入によって時間短縮、生産性の向上など加工能力の抜本的な改善につながり、これまでの職人スキルに依存した加工から、特別なスキルを持っていない作業者でも加工を担当することが可能に。さらに立型マシニングセンタに備わっている「Gコード」を初めて活用しました。切削工具の回転や加工方法を簡単に設定でき、その便利さは職人たちも勉強になったようです。




事業所の魅力をさらに深掘り!
Q:御社について教えてください
A:一般産業機械の部品加工をしています。
Q:御社の経営理念は
A:お客様の希望に応える!!
Q:アピールしたいことは
A:小物から大物まであらゆる部品サイズに対応できます。
Q:興味をひかれたお客さまにひと言
A:創業時から2交代制を導入しています。
長時間工場が稼働可能で、短い納期にも対応できます。
環境事業関連の受注を進めるために、洋上風力発電をはじめ自然エネルギーの開発にもかかわっていきたいと思います。
これから日本はインフラ更新時期が到来します。土壌改良器は道路やダム、高速鉄道、発電所の建設などあらゆる社会インフラを整備するために必要となる製品です。国内需要だけでなく、アジアを中心とした新興国の需要も取り込んでいきたいと考えています。
今後は縦旋盤で穴加工も同時にできる機械の導入も検討しています。ぜひ実現して、仕事の幅を広げていきたいと思います。
INFORMATION
株式会社 鹿島製作所
代表取締役 嵩下 征二
住 所:佐賀県鹿島市古枝甲496-1
連絡先:TEL0954-62-4364/FAX0954-62-9766
U R L :株式会社 鹿島製作所のwebサイトはこちら
資本金:2,000万円
設 立:昭和42年4月
従業員:25人
平成29年度補正/ものづくり技術・一般型