株式会社 福糧

高級焼酎用精米の増産要請に応えるべく自動搬送ロボット導入で生産性向上

 当社は主食用から加工原料用まで米穀全般の加工・販売に携わっています。例えば、主食用としては主にレストランやお弁当などの外食産業向けの商品を加工しています。そのほか、ピラフ用、冷凍米飯用などの加工用米や、生協や健康食品メーカーなどに向けて健康志向の高いお客さまのニーズに応える高品質の玄米を提供しています。
 食の多様化に加え食の安心安全が求められる昨今、品質第一を企業使命として、独自の精米・加工技術の研鑽さんや原料仕入れの「確かな目」と品質管理の「厳しい目」によって安心できる商品づくりに励んでいます。



専務取締役 楢原 宏司



本事業への取り組みの経緯

 当社の強みは、まず精米工程で米をA~Dの4段階の規格に分け、粒の大きさや形状を均一化し、それらを取引先の要望に応じた混合比率で供給できる仕組みを確立していることです。これにより、焼酎メーカーが望む高品質な原料を安定的に供給することができます。
 大手焼酎メーカーとの取引において、精米の品質が評価され増産要請がかかりました。その量は年間2000tと、それまでの出荷量の2倍。これは当社の年間出荷量の1.3カ月分に相当します。
 ところが生産ライン上の玄米の搬送、開袋、機械への流し込みの3工程が非効率で負担の多い手作業だったため、増産の要請に完全には応じられませんでした。この一連の工程を自動化して増産体制が整えば、当社の精米技術力で、近年大手メーカーが注力する高級焼酎向け原料の販売強化にもつながる可能性を鑑み、今回の補助事業に申請しました。


実施内容(取り組みの詳細)

 従来の作業の流れでは、玄米の搬送、開袋、流し込み工程のすべてを手作業で、1人で行っていました。作業量は1時間あたり1パレット42袋(1袋=30kg)、1日で約10tの量をこなしていましたが、作業員の体力には限界があります。増産のためには一連の工程の機械化、自動化が必要と判断しました。
 そこで、ロボット技術に着目。搬送工程には、パレットから開袋までの搬送を自動化するフジエース設備を導入し、開袋工程には自動開袋機を導入しました。そして流し込みの工程では自動開袋機とタンクをつないで一体化し、さらなるスピードアップを図りました。今回構築した自動化ラインは、精米業界では革新的な生産方式となりました。




取り組み成果・波及効果

 搬送工程の自動化により、1時間当たり500袋の運搬と大幅な省人化が実現しました。さらに、コンピュータ制御による自動操作で人手を要しない安全な運搬作業が可能になりました。
 開袋工程では、荷積み作業をする「パレタイジングロボット」がコンベアに搬送してきた袋を個別に開封し、タンクに流し込みます。
 以上のように、課題となっていた原料の投入効率は生産ラインを自動化したことで大きく改善。大規模な増産体制が整い、作業員の負担軽減も達成されました。主に労働力不足が原因で対応が難しかった取引先からの増産要請ですが、今回の設備導入によりそれにも応えられるようになりました。
 加えて、ラインの自動化で人的接触が減り、衛生環境・安全性が向上した点や、省人化しつつ増産体制が整ったことでコストダウンが可能になった点、在庫量がコントロールしやすく納期短縮につながった点も成果として挙げられます。





もっと知りたい!
事業所の魅力をさらに深掘り!

Q:御社について教えてください

A:全国からお米を取り寄せ、大卸として米穀全般の加工や販売を行っています。


Q:御社の経営理念は

A:キャッチフレーズに「しあわせの食卓」を掲げ、幸せを感じられるおいしい食事や安心できる食の未来を提供していきます。


Q:導入して良かった点は

A:負担軽減によってスタッフの視野が広がり、業務改善などを考えてくれるようになりました。


Q:アピールしたいことは

A:おいしさにこだわったオリジナルブレンド米、「ふく福米」をぜひご賞味ください。
当社の経営する「FUKU CARFE」でもご提供しています。


今後の展望・活動予定

 近年、当社の取引先を含む大手焼酎メーカー各社は、新規ユーザー獲得のため新しい独自の原料、製法、技術を用いた高級志向のラインアップを強化している向きにあります。さらに訪日外国人の日本のお酒に対する関心も高いことから、外国人向けの焼酎開発も積極的に行われています。このような動向を踏まえると、当社の誇る高品質な原料を安定して大量に提供できるようになったことは、市場への参入という点でも大きなアドバンテージとなりました。
 今後も、大手焼酎メーカーを支えていくという意味でも、高級焼酎向けの原料販売を強化したいと考えています。当社がこれまで培ってきた精米技術をもっとPRしていきたいですね。



INFORMATION




株式会社 福糧

代表取締役:中川 一男

住 所:佐賀県鳥栖市江島町2950-2

連絡先:TEL0942-84-8228/FAX0942-83-7644

U R L : 株式会社 福糧のwebサイトはこちら

資本金:1,100万円

設 立:平成10年3カ月

従業員:20人

Saga Monodukuri /食料品製造業
平成30年度補正/ものづくり技術・一般型

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