株式会社 福田鉄筋工業

複雑な形状、高強度、太鉄筋の曲げの加工技術を「鉄筋自動曲装置」で実現

 当社は鉄筋加工、施工事業者です。主に商業施設やマンションなどの鉄筋工事を請け負い、鉄筋加工はもちろん現場への搬入、組み立てに至るまでサポートしています。工法はゼネコン主導になりがちですが、綿密な打ち合わせで顧客のニーズを読み取り、工期短縮に向けた工法の提案力は当社の強みです。スポット溶接など独自の工法を導入しているほか、3次元加工を含む高難度で複雑な加工が可能で、高強度鉄筋や太径鉄筋の加工を最大4レーンでできる加工力もあります。
 多様な案件に対応して積極的にものづくりに取り組み、技術面では圧倒的な実績と信頼を顧客から得ていると自負しています。



代表取締役 福田 信之



本事業への取り組みの経緯

 補助事業を申請する2018(平成30)年当時は、当社が属する建設業界の市場規模は大きく、災害復興特需などで活況でした。その一方で人手不足が問題となっており、現在さらに深刻化しています。当社は外国人社員の積極的な受け入れをしていますが、専門的な技術や知識が求められるために、次世代を担う人材が育つまでには時間がかかります。
 一方で、長崎では駅舎および周辺の商業施設やスポーツ用競技場の建設、福岡では天神ビッグバンにおけるビルの建て替えなど、その土地を象徴するランドマーク開発が進んでいます。このような大きなプロジェクトに携わっていくためには、当社の持つ加工力の強化が不可欠だと感じました。具体的には、高強度・太径鉄筋の曲げ加工の自動化や、主筋曲げをプログラム制御することで、非熟練者や外国人社員でも熟練工と同等の加工ができるようにすることです。これによりゼネコンに対してさらなる工期短縮の提案ができると考え、新しい加工装置の導入を決めました。


実施内容(取り組みの詳細)

 大型再開発案件を請け負うためには、高強度素材や複雑構造に対応できる曲げ加工技術が必要です。しかし、既存設備では限られた加工パターンしかなく、可能な限りの加工をした後は技術者が手作業で加工する必要がありました。そのため、作業員の熟練度によって品質に差が生じるうえ、人手に依存する作業が多く、効率も悪くなっていました。
 本事業では、加工可能形状の拡充、測定精度の向上、同時曲げ対応、非熟練者による作業の実行、納期短縮・生産性向上を目標に「鉄筋自動曲装置」を設置しました。コンピュータ制御によって工程の集約・自動化を行い生産性の向上を実現。高強度鉄筋の曲げ加工を短時間で、複雑形状加工製品を高品質かつ効率的に製造できるようになりました。




取り組み成果・波及効果

 工程の自動化で加工時間は10分ほど短縮。同一系複数鉄筋も同時に曲げ加工できるようになったことで、1日の生産量は以前に比べ30%ほど増えました。
 従来の設備は2人体制で基礎加工や仕上げ加工を施していましたが、新設備の導入後は1人体制に。コンピュータ制御で操作はタッチパネル式ですから、研修中の若い外国人労働者など非熟練者でも熟練者のような精度の高い曲げ加工が簡単に行えます。おかげで人材育成期間の短縮にもつながり、すぐに戦力となれる人材が確保できるようになりました。
 新設備の導入で、生産性の向上と省力化、納期短縮が実現しました。鉄筋加工の質も量も向上し、複雑な形状への加工や高い精度が求められる加工など、顧客からのあらゆるニーズに対応できるようになり、仕事の幅も広がっています。





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事業所の魅力をさらに深掘り!

Q:御社について教えてください

A:当社の加工場で加工した鉄筋を現場に搬入し、組み立てる仕事をしています。


Q:御社の経営理念は

A:「生産管理」「安全管理」「技術サービス」の惜しみない提供。感謝と責任の気持ちを大切に。


Q:アピールしたいことは

A:大型物件から個人物件まで幅広い鉄筋工事を組織力と現場力でこなします。
厳しい検査を繰り返した品質管理と低コストによる製品の提供を目指しています。


Q:興味をひかれたお客さまにひと言

A:鉄筋工事は屋外の作業で地道なもの。自慢の鉄筋は、最終的にはコンクリートに埋もれて見えなくなってしまいます。
しかし、鉄筋は建物を支える大切な骨組みです。完成した建物を見た時には最高の達成感が味わえます。


今後の展望・活動予定

 「鉄筋自動曲装置」は導入からすでに5年が経過し、ほぼ毎日稼働しています。現在も建設業界は活況で、鉄筋加工の依頼はさらに増えています。導入当時は緩和されたものの、人手不足の課題は引き続き残っています。やりがいのある仕事ですから、若者にぜひ建設業界へ入ってきてほしいですね。
 近年の3DCADの進化に伴い、鉄筋構造の複雑化や高品位化が進んでいます。今回導入した設備でもそういった構造への加工に対応はできますが、当社も3DCADを使った図面で加工、組み立てができれば、もっと作業ロスを減らすことにつながると考え、新たな設備の導入も検討しています。
 当社は佐賀を拠点に福岡、長崎、大分、熊本などで事業を展開しています。今後も高い品質を保ちながら、長年積み重ねてきた知識と経験、最新機器をいかして、地域産業へ貢献していきたいです。



INFORMATION




株式会社 福田鉄筋工業

代表取締役:福田 信之

住 所:佐賀県佐賀市金立町金立739-1

連絡先:TEL0952-98-1196/FAX0952-98-2399

U R L :

資本金:1,000万円

設 立:昭和41年9月

従業員:22人(外国人11人を含む)

Saga Monodukuri /職別工事業(設備工事業を除く)
平成30年度補正/ものづくり技術・一般型

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