株式会社 コガ・テック
2007(平成19)年に3人で創業。金属板などの製缶・板金や溶接工事、金属・板金プレス加工など金属製品製造を生業としています。特に大型部品の微細な曲面形状の曲げ加工の高い技術が強みで、技術力と納期厳守で顧客からの信頼を得てきました。
主な取引先は中山鉄工所(本社・武雄市)です。同社が製造するクラッシャー(破砕機)のフレーム加工やコンベア、発電機などの半組み立てを受注しています。クラッシャーに使われている部品の半分以上が当社製で、クラッシャー製造では重要な役割を担っています。

代表取締役 古賀 剛

本事業への取り組みの経緯
クラッシャーの仕組み自体は変わりませんが、内部については常に改良が行われています。部品点数を減らしてコスト削減、さらに耐久性を高めるために従来のものより肉厚の金属に変えるなど、メーカーは普段から試行錯誤を続けています。部品のサプライヤーである当社も高い精度を追求し、メーカーの試行錯誤に新しい加工技術で応えたいと、技術の研鑽に努めています。
しかし、例えば16mmの肉厚素材の曲げ加工を打診されても、当社が持つ機械は小型で、肉厚の素材だとまっすぐ曲がりません。曲げ加工の精度が落ちる分、再加工でカバーする必要がありました。曲げ加工の精度が高まれば、再加工の時間的なロスもなくなります。
「大は小を兼ねる」という言葉がありますが、今後の顧客のニーズに応えるため肉厚素材の曲がり加工が高い精度で実現できる新型プレスブレーキの導入を考えました。

実施内容(取り組みの詳細)
加工の工程は、まず取引先から図面提供を受け設計を開始。次に設計に基づいて材料を切断し、プレスブレーキを使って曲げ加工を行います。その後、溶接したら塗装し、部品を組み立てて電装品を取り付けます。最後に仕様通りか検査して出荷します。
このプレスブレーキを使った曲げ加工は、肉厚素材の加工が難しいことに加え、当社と同じ加工力を持つ外注先が存在せず、設備面での不利を技術力で補っている状況でした。
そこで、従来のプレスブレーキに変えて肉厚の曲げ加工が実現できる「デュアルドライブプレスブレーキBH25040」を導入しました。試運転を重ねて検品した結果、曲げ加工の精度が高まり、後工程の溶接や部品の組み立ての生産性も向上しました。

取り組み成果・波及効果
従来のプレスブレーキでは金属に対して最大150tの圧力がかけられましたが、「デュアルドライブプレスブレーキBH25040」は最大圧力を250tまで設定できます。厚さ6mm、10mm、16mmの金属板の曲げ加工も問題なく行え、金属板の厚みにかかわらず高い精度での曲げ加工を現実のものとすることができました。
新しい機械の導入で、曲げ加工にかかる時間も従来の3割ほど短縮されました。従来機器の精度では必要だった再加工がゼロになり、時間的なロスを減らすことにつながりました。肉厚素材の曲げ加工が必要な部品も短期間での納入が可能になり、顧客からの高度な要求にも応えられるようになったことが一番の成果です。


事業所の魅力をさらに深掘り!
Q:御社について教えてください
A:製缶・板金や溶接工事、金属・板金プレス加工など金属製品の製造を行っています。
Q:御社の経営理念は
A:顧客からの高度な要求に応えられる高精度の技術力と新しい加工技術を追求。
Q:アピールしたいことは
A:大型部品の曲げ加工、特に精度が求められる微細な曲線を得意としています。
Q:興味をひかれたお客さまにひと言
A:大型部品の曲げ加工などが必要な、建設関係の設備や食品関連の設備などを製造しているメーカーに、当社の技術力と実績を知ってほしいですね。
新しい機器の導入で、高精度な肉厚素材の曲げ加工技術の獲得と、短納期の生産システム構築ができました。これまで以上に顧客からの信頼を得て、受注を増やしていきたいと考えています。 さらに新規取引先の開拓も行い、事業拡大と業績アップにつなげていきたいですね。実は当社には営業マンがいません。確かな技術力で製造した商品そのものが営業マンです。「どこもできないけど、ここではできる」と顧客に喜んでもらえる仕事をして、当社の事業は口コミで広がっていきました。
当社の製品づくりには溶接など特殊な技術が必要で、オペレーターの人材育成にも時間がかかります。今後は14人の金属加工のスペシャリストとともに、人材教育に努め事業に取り組んでいきたいと思います。
INFORMATION
株式会社 コガ・テック
代表取締役:古賀 剛
住 所:佐賀県佐賀市久保泉町下和泉3120-3
連絡先:TEL0952-98-3411
U R L :
資本金:200万円
設 立:平成19年
従業員:14人
平成30年度補正/ものづくり技術・一般型