株式会社 脇山製作所
当社は板金部品加工に端を発し、現在では高い精度が要求される通信機器や電子機器などのための精密板金部品の生産を主要事業としております。また、ものづくりのみならず、社会的な課題である環境分野にまで幅を広げ、事業活動を通した社会への貢献をめざしてきました。安心・信頼・最高の品質を重要視しており、2004年にISO 14001、2008年にはISO 9001を取得しております。
今回は、多様なニーズに対応するため製造工程の見直しを行い、ネックとなっていた箇所へ自動化新設備を導入。増産および高精度化を実現し、顧客からの増産、短納期などの要望への対応、熟練工不足などの課題解決をめざしました。
代表取締役 脇山和人
本事業への取り組みの経緯
IoTなどのネットワーク生産設備市場の拡大に伴い、当社製品の需要は拡大の一途をたどってきました。
取引先は、世界シェアトップの大手企業をはじめ70社を超えております。合理化や人員増により生産体制の強化を推進しているものの、顧客からの想定を超える増量生産要求には追い付かず、機会損失を招く状況に陥りました。そこで工程の改善を進めたところ、主なネックは「曲げ加工」であることが判明。汎用の金型で複雑な曲げ加工を行うベンダー工程は熟練の腕が要求されるため、生産レベルの維持と人員不足が課題となっていたのです。そこで今回、ロボットとベンダーを連携させた革新的設備の計画に至りました。
実施内容(取り組みの詳細)
自社熟練工のノウハウを移植した全自動板金曲げ加工システムを導入しました。限りなく人間に近づけた6軸+1軸の多関節ロボット、そして人間とほぼ同じ速度で動くべンディングマシンです。
導入にあたっては、自動化に適した製品カテゴリーの見極めを熟練工が担当。単純作業は自動化することで効率を向上させ、ロボットが対応できない高度な技術を要する作業は熟練工が行うといった、人とロボットの棲み分けの最適化を図りました。
曲げ加工の工程に必要な人員を削減できるため、熟練工以外の作業者にも高度な製品に挑戦してもらうなど、工場全体のスキルアップに取り組める体制を整えることが可能となっております。
取り組み成果・波及効果
曲げ加工の工程を改善して工場全体の処理能力が向上したことで、顧客が要求する増産・高精度化・短納期にも対応できるようになっております。これにより業界大手との取引額が増大し、安定した運営が可能となりました。
オートメーション化により稼働時間の延長と従業員の残業削減との両立が実現でき、企業の体質改善にも寄与しております。さらには将来的な海外展開においても、スタッフの現地教育を行わずともロボットとベンダーを導入することで日本の工場と同程度の品質を備えた製品づくりができる体制が整いました。「ものづくり日本」の力を佐賀から発信できる可能性が見えてきております。
事業所の魅力をさらに深掘り!
Q:御社について教えてください
A:精密板金加工を行う会社です。板材の切断、溶接などの技術を用いて通信機器や電子機器の部品を製造します。
Q:御社が大切にしていることは?
A:「簡単に諦めない」ということです。お客様のご要望をなんとかして実現すべく、皆で方法を考えるようにしております。
Q:御社の社是は?
A:『創造力から生まれる価値観を提供する』。お客様に必要とされる企業をめざします。
Q:機械を導入してよかった点は?
A:無人化による24時間生産体制で増産・短納期が実現できたことです。
今後は板金のみならず樹脂の加工や溶接にもトライし、技術のさらなるレベルアップ、若手への継承を推進いたします。
また、新たな取り組みとして、循環型水洗式ポータブルバイオトイレ「Reposer(ルポゼ)」を展開。当社独自の技術で汚泥をバイオ処理し、循環システムにより繰り返し分解、残った水は浄化水として再利用できる仕組み(特許出願中)が特徴です。簡易トイレのイメージを変える快適空間、設置の簡易性やコスト削減、長時間の連続稼働を実現しております。
今後もさまざまな技術を駆使し、世の中の「あったらいいな!」を叶える企業として邁進します。
INFORMATION
株式会社 脇山製作所
代表者:脇山和人
住 所:佐賀県唐津市後川内1401-1
連絡先:TEL0955-74-3431/FAX0955-74-5330
U R L : 株式会社 脇山製作所のwebサイトはこちら
資本金:1,000万円
設 立:昭和56年11月
従業員:67人
平成29年度補正/ものづくり技術・一般型
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