株式会社 タシロ
当社は50年以上に渡る型枠工事業の実績を持ち、ビルやマンション、教育機関、医療機関、公共施設など数々の建設現場に携わってまいりました。大型物件、複雑な形状の物件、RC造神社仏閣様式など特殊な物件にも対応可能な技能を備えており、当社従業員が佐賀県知事技能者表彰や全国技能士会表彰を受けた実績もございます。
今回は型枠製造工程を効率化するため、高精度加工機を核としたシステムを構築。熟練した技術がなくとも型枠の加工および組み立てができる環境を整備することで、品質向上、工程短縮、コストダウン、人材不足問題の解消につなげました。

代表取締役社長 溝口隆治

本事業への取り組みの経緯
建築・土木の工事現場で欠かせないコンクリート型枠は、工事の経済性や効率性を求める上で重要なファクターです。他の建築分野ではあらかじめ部材を工場で組み立てて現場に持ち込む方法が浸透している一方、型枠大工工事においては、未だに現場にて加工・組立てが行われているのが現状です。
人の手によって墨出し(切る箇所の線を引くこと)やカット作業を行っており、品質が不安定になる、時間がかかる、熟練の技術を要するため人材確保が困難であるといった問題があります。また、材料を台車に載せて現場へ運ぶ作業も発生するため、作業者の体力的負担も懸念されておりました。

実施内容(取り組みの詳細)
今回、型枠の材料であるべニア合板を加工するための高精度加工機パネルソーを主としたシステムを新たに構築しました。機械に寸法を設定することで墨出しが必要なくなり、効率化とミス減少を実現できております。最大3枚を同時に加工できるため、作業がスピーディーになりました。
また、併せてバッテリーフォークリフトも導入したことにより事前にユニット化した型枠を現場へ運搬できるようになり、現場での組み立て作業を削減できました。フォークリフトは電動であるため、工場内に排気ガスを排出することもなく作業環境がクリーンに保たれるというメリットもあります。
取り組み成果・波及効果
新システム導入によるユニット工法を採用し、複雑な組み立てのほとんどを工場内で行うことができるようになりました。型枠製品の寸法精度や品質が大きく向上したほか、工程全体が約半分まで短縮できております。熟練した技術を持たない作業者でも材料の加工や組み立てができる環境が整い、採用からひとり立ちまでの育成期間が短縮できるようになりました。工程短縮により作業に余裕が生まれ、ベテラン技術者からのOJTによる技能継承ができる体制も構築できております。また、各工程における必要人員が大幅に削減されることにより、従来では受注が困難だった大型物件の受注量を増やすことも可能となりました。



ラバーガード

ポールガード
事業所の魅力をさらに深掘り!
Q:御社について教えてください
A:主に佐賀県内の大型工事現場等を手がけている、型枠工事を専門とする企業です。
Q:アピールしたい商品(もの・こと)は?
A:型枠の廃材を燃料として再利用して製作した「ラバーガード」(ゴム製の車止め)です。
Q:御社の目標は?
A:チームワークを更に高め、生産性向上・技術継承に努めていきます。
Q:機械を導入してよかった点は?
A:設備投資をした結果、品質が向上し、工程も従来の半分程にまで短縮できたことです。
今後のさらなる作業者の負担減やコスト削減に向け、型枠の軽量化をめざしております。仮設資材も現在のスチールからアルミへの変更を検討中です。
また、今回の事業により必要な作業人数やコストを抑えられるようになったことを生かし、品質向上とともに価格競争力の強化を図っていきます。従業員の給与アップなど雇用条件の向上も可能となったため、人材の確保により一層注力してまいります。
当社では以前から一級型枠施工技能士実技試験講習会への講師技能士派遣、地域や高校の型枠技能実習へのマイスター派遣を行っておりますが、今後も型枠工の職人育成に寄与し、地域への貢献をめざしていく所存です。
INFORMATION
株式会社 タシロ
代表者:溝口隆治
住 所:佐賀市本庄町大字末次174番地
連絡先:TEL0952-24-8444/FAX0952-24-8445
U R L :株式会社 タシロのwebサイトはこちら
資本金:2,000万円
設 立:昭和42年9月
従業員:50人
平成29年度補正/ものづくり技術・一般型
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