株式会社 福富製作所
当社は、金属・非金属の各種部品加工を中心に設計から製作まで一貫生産を行い、多種小ロットから量産まで対応しています。売上げの大部分を占めるユニットバス鋼板パネルは、ロット生産を行っているため、様々なムダが発生していました。新設備を導入してライン生産が実現できれば、作業は効率化され、市場の拡大も期待できます。そこで、ユニットバス壁パネルの製造工程をサイズ別のロット生産から、出荷順のライン生産に切り替えるため、CNCタレットパンチプレス<AE-2510NT>を導入。生産時間の短縮と、仕掛品を持つために発生するムダを減らしたことで、生産性の向上を実現しました。
代表取締役 福富昌吾
本事業への取り組みの経緯
技術革新時代で業務内容が多様化するなか、LIXILのユニットバス用鋼板パネル(売上比率77%)、コマツの重機用オイルフィルタ(9%)、ホンダの二輪車用部品(10%)など様々な分野の製品を手掛けています。そもそもユニットバスは全て受注生産で、物件ごとのオーダーメイドのため一品一様の対応が求められてきました。当社のパネルはロット生産で、ロットごとに段取り替えが発生し、大量の仕掛け品発生で作業スペースが圧迫され、取って・置く、運搬の無駄等が発生していました。これらの問題点を解決するために、ライン生産への切り替えが必要だと考えました。
実施内容(取り組みの詳細)
板金の打ち抜き加工では、タレットパンチプレス(通称“タレパン”)を使用していますが、現状の設備の状態でライン生産に切り替えると、タレパンのサイクルタイムが後工程のサイクルタイムを大きくオーバーしてしまい、後工程への物の供給が間に合わない可能性がありました。さらなる生産効率アップのため、㈱アマダ社製のタレットパンチプレス<AE-2510NT>を導入。また、LIXILより鋼板切断機が貸与され、これまでタレパンで行っていた鋼板の切断と穴加工を2台で分担し、作業時間の短縮を図りました。
取り組み成果・波及効果
新しく導入したタレパンは、以前から保有している同型の機械に比べ、プレス速度・送り速度が約1.7倍にアップ。加工範囲も1.3倍にアップし、40%の加工時間短縮が実現しました。省エネ・エコロジー構造にもなっており、消費電力の削減、作動油交換が不要となっています。また、以前はプログラム作成の際、図面からの手入力・登録が必要で、手間がかかる上にミスも発生していました。加工の多様化に伴い、複雑化するプログラミング作業をソフト導入で自動化し、省人化とミス防止につなげました。
事業所の魅力をさらに深掘り!
Q:御社について教えてください
A:昭和13年に有限会社福富製作所として創業し、九州で最初に電機絶縁部品の製造に取り組みました。現在は、プレス・溶接・板金加工を中心に様々な製品を手掛けています。
Q:アピールしたい商品(もの・こと)は?
A:プレス板金設備以外にも、パネルソーやNC加工機など木工設備も保有しており、お客様のいかなるニーズにも対応できます。また、改善活動にも力を入れ、2012年には文部科学大臣表彰創意工夫功労者賞を社員2名が受賞しています。
Q:御社が大切にしていることは?
A:不良品を作らない、出さない( 検査を徹底して流出させない)。納期を順守して、お客様の信用を落とさない。
他にも20~30年稼働している設備を保有しているので、それらを更新しながら機械の自動化・半自動化による省人化に取り組んでいきます。加工の高効率化や高速化は、生産の効率化につながり、顧客の求める製品の短納期が実現できます。低コスト・短納期はLIXILが他メーカーとの競争に勝ち抜くための強みとしており、それらに貢献し顧客とともに激しいコスト競争を勝ち抜くことを目標としています。
また、プレス・板金・溶接や木工以外等、既存の分野だけにとらわれず、他の分野においても積極的な営業活動に取り組み、新規開拓を行っていきます。将来的には、自社商品の開発・製造にも取り組んでいきたいと考えています。
INFORMATION
株式会社 福富製作所
代表者:福富昌吾
住 所:佐賀県佐賀市巨勢町大字高尾81番地1
連絡先:TEL0952-24-3225/FAX0952-24-3231
U R L :株式会社 福富製作所のwebサイトはこちら
資本金:1,000万円
設 立:昭和27年5月
従業員:24人
平成29年度補正/ものづくり技術・一般型
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