聖徳ゼロテック株式会社
当社は昭和50年の創業以来、金属プレス金型メーカーとして設計から製造・量産加工まで手掛ける社内一貫体制を取り、九州地区でも数少ない半導体関連企業向けの1/1000mmレベルの精密型を得意とした企業です。日本国内に14,000社ほど存在した金型屋も、現在は半数の7,000社となり激減しています。当社は、長年培ってきた金型メーカーとしての知見・技術に加え、先の時代を見越した「超精密プレス加工機」を始めとした、金型検証並びにプレス受託加工用のプレス機を導入し、国際競争に打ち勝つ力を蓄えています。
また、「企業は人」という理念のもと、人材の新規雇用・育成に注力し、地域の雇用創出・維持・発展を目指し、地域社会に必要とされる企業づくりに邁進しています。

代表取締役 古賀忠輔

本事業への取り組みの経緯
当社では、従来の電子機器の半導体向けに加え、今後のEV化に伴い市場が急拡大する、自動車産業向けのパワー半導体へのシフトを図っています。得意分野で力を発揮できるうえ、金型屋が減少している背景で供給が追いつかなくなり、一定水準以上のレベルを持った特定の金型屋に受注が集中しています。そこで、課題となっているのが「スピード勝負(短納期)」、「若手新人でも即戦力化できる、業務の簡素化」の2点です。これらを実現して生産性をアップするとともに、強固な金型メーカーを目指します。

実施内容(取り組みの詳細)
新設備として、2次元および3次元どちらにも対応できるマルチCADシステムと、それに連携した立形マシニングセンタの2台を導入しました。
金型製造の主な工程は、①CAD(2次元)を使って金型を設計 ②設計をもとに機械を動かすための命令コード(CAM)を作成 ③命令コードにしたがって工作機械で加工、となります。2次元の作図では、形状の確認に時間がかかり、無駄な手直しも発生していたので、立体的な3次元データで表示できるシステムに変更。設計の際、命令コードも組み込まれているため、新導入のマシニングセンタと連携させることで、面倒な計算や手作業が必要なくなりました。
取り組み成果・波及効果
旧来の2次元CADでは視認性が乏しく、間違いが発生していましたが、新規設備の導入で分かりやすい立体的なデータとなり、設計者は視覚的な確認・判断が容易になりました。また、思考を中断することなく、直感的な操作が可能となりました。新導入のマシニングセンタは、命令コード作成の手間がなくなったので、ベテランのノウハウを標準化して落とし込むことで、新人でも対応できるようになりました。
これらの結果、顧客に対して25%の納期短縮、10%から15%の低コスト化を実現し、社内では115%の売り上げ増が見込まれます。さらに、キャパオーバーで見送っていた金型の受注ができるようになりました。
事業所の魅力をさらに深掘り!
Q:御社の強みは?
A:1/1000mmレベルの精緻な金型製作で、特殊な形状や実現が困難なほど高度な技術が求められる案件に対応します。
Q:アピールしたいことは?
A:時代は回り、「手に職」時代がきています。人材の育成や女性の雇用にも力をいれ、育児と仕事を両立する女性が働きやすく、活躍できる環境を整えています。
定期的な採用も計画していますので、詳しくはホームページをご覧ください。
Q:御社が大切にしていることは?
A:“金型”を原点とした、モノづくりを基本に置き、お客様へ何を提供できるか、常に改善、創造を成し、明るい社風、社員幸福度No.1を目指し、地域社会へ貢献することです。
自動車のEV化に向けて、パワー半導体への市場が大きくなるのは確実です。国際競争が厳しくなる中で、金型メーカーとして成長し続けるためには、地域社会・社員・得意先・仕入先にとって「無くてはならない存在」である事が重要です。また、生産性の向上は景況が良い状態において「生産性向上」を増大させるだけでなく、景況の悪い状況にあえて余剰人員を創り出すことで、次の技術の高度化・開発に人材を振り分けられる体制づくりにつながります。
今後も、次代を担う若手技術者の育成に注力し続けます。技術高度化への取り組みに積極的に参加させ、技術の継承を行うことが、企業として継続的に成長するために不可欠だと考えています。
INFORMATION
聖徳ゼロテック株式会社
代表者:古賀忠輔
住 所:佐賀県佐賀市西与賀町大字高太郎172番地
連絡先:TEL0952-29-6828/FAX0952-29-6827
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資本金:3,000万円
設 立:昭和50年5月
従業員:31人
平成29年度補正/ものづくり技術・一般型
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