有限会社 嬉乃すし

握りたての味を再現可能にした常識を変える次世代凍結技術

 当社は佐賀市で40有余年、すし店を営んできました。ランチ・夜の店舗利用の他、出前・仕出し・持ち帰りにも注力しており、月平均1500名以上、繁盛月は1800名程のお客様が来店されます。規模面、売り上げ面ともに大手チェーン以外のすし店では市内でトップレベルです。すし店の命とも言えるネタについては、専属漁師から直接買い付ける、全国から旬の魚を取り寄せるなどして、おいしい物をおいしい状態で食べていただくことにこだわってきました。
 今回は新たな冷凍技術を導入することで、近年直面している原価高騰、売り上げ機会ロス、人材不足などの課題解決に挑んでおります。



代表取締役 髙田治幸



本事業への取り組みの経緯

 世界的に生魚需要が高まっている今、当店では時価を採用せず年間を通して同一価格での提供に努めてきましたが、いよいよ厳しい状況です。特にノドグロやアマダイといった時期により価格が高騰する食材については、安い時にまとめて仕入れられる仕組みを構築する必要性を感じておりました。また、人材不足を背景に仕出しや出前の注文数を制限すること、鮮度の問題から遠方からのお持ち帰りはお断りせざるを得ないことなどがあり、売り上げ機会のロスも課題となっております。
 仕入れや製造から時間が経っても品質が変わらない保存方法を実現するため、当店では次世代冷凍技術を導入することにしました。


実施内容(取り組みの詳細)

 従来の冷凍技術では、肉や魚の細胞が壊れてドリップ(汁)が発生し、食味や色合いが悪くなるという問題がありました。
今回導入した「プロトン凍結機」は、磁石(均等磁束密度)、電磁波・冷風のハイブリッド技術で凍結時の氷核生成に働きかけ、細胞の破壊を防止し、色つやのよい高鮮度の状態を維持できます。湿度の高い空気を用いて冷凍することから食材が乾燥しにくいこともメリットです。
 また、これまでは冷凍したシャリを解凍するとボロボロになり食味が大きく損なわれましたが、当技術では握ったばかりのふっくらとした状態を維持することに成功。まさに当社が長年求めていた、時間が経っても作り立ての味を再現できる冷凍技術です。



取り組み成果・波及効果

 プロトン凍結機の導入により、旬の魚介類を安価で品質のよい時期にまとめて仕入れることで原価の抑制が実現できました。年間を通して安定してネタを提供できる見通しが立つため、顧客満足度の向上も期待できます。鮮度を気にせず手が空いた時に仕込みをしておけるため、受注点数の制限や従業員の残業などの問題も解決できる見込みです。以前は持ち帰りや配達可能な時間や距離にも限りがあり売上機会ロスを招いていましたが、今後は県内のみならず全国、そして世界への商圏拡大も視野に入ります。





もっと知りたい!
事業所の魅力をさらに深掘り!

Q:機械を導入してよかった点は?

A:プロトン凍結機を使うことで魚が熟成されたようになり、うまみが増すという発見があったことです。


Q:アピールしたいことは?

A:九州はもちろん、東京豊洲など全国から季節に応じた良質な食材を仕入れております。


Q:御社が大切にしていることは?

A:食材を生かし、おいしい物をおいしく召し上がっていただけるように提供することです。


今後の展望・活動予定

 新技術を活用し、佐賀牛を主役にした新商品『幸せを呼ぶ佐賀牛巻き』の開発を進めております。柔らかい赤身にきめ細やかな脂の入った甘みとコク豊かな肉に、さっぱりとした酢飯、有明海産のノリ、伊万里梨のコンポートがよく合う一品です。何百本も試作を重ね、商品化を目指しております。
 当店ではありがたいことに海外のお客様からも「家族に食べさせたい」とのお声をいただいております。今後はインターネット販売も行うことで皆様のご期待にお応えしていく所存です。
 冷凍のすしはまずいという概念を打ち破り「うまい!」と感動していただける最高レベルの冷凍すしを目指してまいります。



INFORMATION




有限会社 嬉乃すし

代表者:髙田治幸

住 所:佐賀県佐賀市若宮1-7-30

連絡先:TEL0952-30-1469/FAX0952-30-1364

U R L :有限会社 嬉乃すしのwebサイトはこちら

資本金:500万円

設 立:平成3年8月

従業員:28人

Saga Monodukuri /飲食店
平成29年度補正/革新的サービス・一般型

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