光武製菓株式会社

甘納豆の個包装工程をスピードアップする機器導入生産能力を強化し売上向上、販路拡大に挑む

　私どもは甘納豆を主力商品とする菓子メーカーです。甘納豆は水分が16～22％（参考値）と多くを占める半生菓子であり、賞味期限が短いという特徴があります。そのため閑散期に大量生産しておくことは難しく、いかに1日あたりの製造量を増やすかが効率化の鍵となっております。
　当社は業界の中でもいち早く甘納豆の個包装化に取り組んでおり、甘納豆の売上の7割は個包装タイプです。甘納豆の個包装化に対応しているメーカーは全国でも数社しかなく、当社の強みの一つになっております。今回はその強みを生かすべく個包装を高速化する機器を導入し、生産数増、効率向上を図りました。

代表取締役社長　光武信一郎

本事業への取り組みの経緯

　現在、製造のボトルネックとなっているのが個包装を行う工程です。個包装機の処理能力が外装包装を行う機械の処理能力を下回っているため、個包装工程で製造が滞るたびに外装包装工程がストップし、貴重な生産機会のロスが生じています。新規のお客様からの引き合いがあっても、生産が間に合わないという理由でお断りせざるを得ないのが実情です。このような事態をカバーするため個包装工程を従業員の早出・残業・休日出勤で対応してきましたが、それを継続するのは望ましくありません。そこでこの問題を、個包装機械をより性能の良いものに刷新することで解決しようと考えました。

実施内容（取り組みの詳細）

　当社は個包装を行う機械を4台有しており、その中で最も生産能力が低い1台を入れ替えました。導入したのは「甘納豆用自動包装システムWF-901 OSN-UW-LS」。ホッパーと呼ばれる筒状の部分が振動することにより、甘納豆の粒同士が付着するのを防止してくれるのが特長です。これにより作業効率が格段によくなりました。
　また、包装機に付随する「計量供給装置ADW-A-OI 14s」も導入。甘納豆のような小袋計量に最適で、高精度の計量が実現できるものです。
　今回の新しい機械には、構成されている各パーツがコンパクトであり清掃が容易に行える、ステンレスが使われておりサビが発生しにくく衛生的であるというメリットもあります。

取り組み成果・波及効果

　個包装工程においてスピードが改善され、外装包装までの工程がスムーズになりました。1日（12時間稼働）当たりの製造量が、41,760個から46,800個へと増加しております。生産能力が向上したことで、働き方改革ができ従業員の負担も少なくなりました。以前は生産が追い付かないためやむなくお断りしていた、新規のお客様からのご依頼もお受けできるようになっております。
　また、機器を刷新したことで、半製品を持ち上げるリフトの角度が変わり作業スペースが広くとれるようになったことや、半製品が通る箇所が振動するため製品がつまりにくくなり作業効率が向上したという効果もありました。

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Q：御社について教えてください

A：甘納豆のほか、冷凍して二つに割って食べる「棒ジュース」を主力商品とする菓子メーカーです。

Q：御社が大切にしていることは？

A：美味しくて品質の高い菓子を製造すること、従業員が健康で豊かな生活が送れるよう末永くサポートし続けることです。

Q：御社の社是は？

A：品質、価格、納期、営業姿勢などすべてにおいて「常にお客様の満足を上回ること」です。

Q：機械を導入してよかった点は？

A：計量の精度や包装のスピードが向上し、より多くの生産が可能となったことです。

今後の展望・活動予定

　現在は国内を主な販路としていますが、今後の少子高齢化や人口減少に伴い市場の縮小は目に見えています。そこで、今後の人口増加が見込まれるASEAN 諸国への展開を加速させていきたいと考えております。輸出の場合、国内販売以上に輸送時間を要するため、商品が店頭に並んでから賞味期限までの日数を長く確保することが課題となります。解決のためには1日の製造量を増やし速やかに発送できる効率のよい生産体制が必要となりますが、今回の機器導入がそれに寄与すると期待しております。
　また、西九州新幹線の開通に伴い、昨今はギフト商材にも力を入れています。極力地場の原料を使用し、将来的には武雄を代表するお菓子を作りたいです。