ユニバース株式会社
創業当初は3人で小さな町工場を借りて始めた成形機の設計製造業務が、徐々に規模を拡大して今に至ります。現在は、連続押出成形のための真空混練押出成形機に特化し、押出関連装置の設計・製造・販売・改造・メンテナンスを社内で一貫して行っています。また、お客様の要望に応じて、自社設備を使った押出成形テストや受託成形業務を展開しています。成型テストでは、お客様が希望する成形体を作り、開発がうまくいけば装置の導入につながり、受託成形では当社の成形ラインを利用して量産を行っています。
代表取締役 光富啓二
本事業への取り組みの経緯
主要のお客様である自動車装備品に関わる自動車業界では、常に激しいコスト競争や開発のスピードが求められ、製品作りに欠かせない当社の真空混練押出成形機が年々大型化しています。それに伴い搭載する各パーツも大型化し、可能な限り既存の設備で大型パーツの部品加工を行ってきましたが、高精度な仕上げは外注を利用せざるを得ませんでした。
外注依存度が高まることで、高度化するお客様からの要望に迅速に対応することが困難になることから、主要部品による内製化で外注依存から脱却し、製品の短納期化、低コスト化、精度向上につなげ、経営力向上を図りました。
実施内容(取り組みの詳細)
生産性の向上を実現するために、倉敷機械㈱製のテーブル型CNC横中ぐりフライス盤を導入しました。
既存の設備(汎用横中ぐり盤)は、最低でも8年間経験を積んだ熟練工でないと扱えない装置でしたが、新規設備は一度プログラムを入力すれば新人でも加工可能です。また、5軸加工機能を有することで、加工面が鏡面になり、これまで長い時間がかかった手磨きが不要になる加工もあり、さらに加工面を自動でひっくり返してくれるので人が段取りすることなく最後まで自動で加工が進み、並行して他の作業もできるようになりました。
取り組み成果・波及効果
当社の主力商品である真空混練押出成形機の能力を最大限に発揮するために、必要な主要部品の一つである「原料ケース」等の大型パーツおよび、その他の部品の内製化が可能になったことで、効率的な加工が実現し、低価格かつ高精度な製品をお客様に素早く安定的に供給できるようになりました。
低価格でパーツ製作が可能となることで、これまで引き合い後の見積りから注文にいたらなかったお客様からの受注獲得が期待でき、成形テストで必要になった部品を即社内製作し、お客様の開発に素早く対応できるようになりました。
事業所の魅力をさらに深掘り!
Q:御社について教えてください
A:2018年に、創業社長から事業承継で世代交代しました。これまで培ったノウハウをいかしつつ、新しいメンバーで新たな仕組みづくりを推進しています。
Q:アピールしたい商品(もの・こと)は?
A:お客様の“お困りごと”や“アイデア”を形にする「成形テスト」で、成形条件を変えるために必要となる成形機内のパーツを新規製作して取付け、いち早く成形テストに反映できる仕組みがあります。製造部内の設計・機械・成形が、常に柔軟に連携しているからこそ可能な作業です。
Q:御社が大切にしていることは?
A:お客様の声や困りごとに寄り添って、ご要望が叶うまで粘り強くお付き合いします。今まで培ってきたノウハウを惜しみなく提供し、最適なご提案をいたします。
本設備の導入で効率よく仕事ができるようになったので、浮いた経費や空き時間を利用して商品開発に力を注ぎ、近い将来、新事業を立ち上げることができるよう、会社全体でアイデアを出し合って取り組みます。また、本事業の実現により、製造リードタイムが大幅に短縮され、常に課題だった当社工場の稼働許容量が大幅に向上される見込みです。社内加工時間が短縮されることで、時間外労働が特定の担当者に偏ることを防ぎ、定時内労働時間で作業が終わることを目指し、適切な分担作業を実施していきます。
その他、佐賀県での雇用の維持と拡大を目指し、若い世代の採用と定年後の雇用継続を積極的に実施するなど、さまざまなプラス効果が期待できます。
INFORMATION
ユニバース株式会社
代表者:光富啓二
住 所:佐賀県嬉野市塩田町大字久間字古子乙1280番1
連絡先:TEL0954-66-2872/FAX0954-66-4898
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資本金:3,000万円
設 立:昭和62年9月
従業員:40人
平成29年度補正/ものづくり技術・一般型