株式会社アカシ精機

最新マシニングセンタ導入による半導体部品加工工程の短納期対応力強化

　昭和57年に創業し、主に真空装置などのアルミを素材にした部品加工を行っています。生産形態は多品種少量生産で、1000種類以上の部品を作っています。少ロットの試作品の中から、どれだけリピート品の部品加工に結びつくかが収益源になっています。
　当社は、長年培ったアルミ加工の高い精度と、納期厳守をモットーに取引先からも品質面、納期面において高い信頼を得ています。主なマーケットは半導体市場や環境エネルギー関連市場で、最近は半導体市場の世界的な好景気を受けて当社の受注も増えています。

代表取締役　赤司哲也

本事業への取り組みの経緯

　半導体市場の好景気を受け、受注増が続いている一方、老朽化した機械では生産スピードが遅いなど、納期対応ができない状況がありました。取引先のなかでも、世界トップの真空装置メーカー様向けの部品加工の受注が好調で、売上比率は約5割を超え、さらに増加傾向にあります。また、最近は特急品の注文も増えていますが、現状の受注量で稼働率がいっぱいで対応ができていません。
　そこで、最新のマシニングセンタを導入し、生産体制を改善。短納期対応力を高め、経営力向上を図ることで、ユーザーとの信頼関係を向上し、安定的な受注の確保につなげていきたいと考えました。

実施内容（取り組みの詳細）

　技術的課題を解決するために「立形マシニングセンタVCN-530C」を導入しました。対話式プログラムによるプログラム製作時間の短縮と、アルミに特化した高速回転仕様が特徴となっています。
　機械を増設したことで、一人の作業員が複数の機械を同時に操作する多台持ちを推進し、機械加工時間中の作業員の遊び時間を解消する目途ができました。また、1050ｍｍ×530ｍｍ×510ｍｍとクラス最大級のストロークにより、たくさんの取り付け工具、ワークを搭載でき、工具の収納本数を40本にしたことで、長時間の連続無人加工が可能になりました。

取り組み成果・波及効果

　新導入の立形マシニングは、同クラス機械を大きく上回る性能で、多種類のワークに対して煩雑な工具段取りを最少にできるため、作業時間が短縮できます。具体的には、生産時間→約25％の削減、残業時間→60時間から約40時間まで削減できました。
　今回の設備投資により、新規の加工依頼や既存の量産リピート品などの段取り・加工方法が改善でき、時間短縮を実現できました。収益性アップにつながる精密加工が可能になったことで、これまでよりもより柔軟に、幅広く対応できるようになりました。

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Q：御社について教えてください

A：町工場ならではの対応力をもって、お客様のご要望にお応えしている電気器具部品および機械器具部品の精密機械加工会社です。

Q：御社の社是は？

A：「品質納期確保」

「一日終わり良ければ、始まりよし」

「今日の後退より明日の進歩の積み重ね」

Q：御社が大切にしていることは？

A：ものづくりによる環境維持と社会貢献をしていくことです。

今後の展望・活動予定

　近年では、チタン、MCナイロン、銅、ステンレス、鉄等、様々な材質にもチャレンジし実績を積み重ねています。アルミ分野では、特に精密加工が要求される真空装置の部品加工を手掛けることで、技術力の吸収につなげていきます。そして、新しい技術への投資とチャレンジからのデータ収集をもとに、既存の加工時間の細かい短縮を積み重ね、収益とゆとりを定着できるように平準化を推進していきます。また、工場の環境美化を改善しながら、新規採用の足掛かりにもつなげていけるようにし、企業としての成長を目指していきます。