株式会社 中原鉄工所
当社では創業以来、砕石・製砂プラントやリサイクルプラントの設計から施工までを手がけるほか、仮設鉄工、鋼構造物の製品づくり、環境にやさしい機器の設計・製造・販売に取り組んで参りました。現在は社会全体で環境問題への意識が高まる中、リサイクルプラントを中心に受注が増加傾向にあります。今回は製造の初期工程である切断加工を自動化する機械を導入し、作業の高速化および効率化を実現。既存客の多様なニーズへの対応、新規顧客開拓をめざします。また、大手企業の九州・佐賀進出などを背景に業界における人材不足問題も色濃くなっている中、人材育成の推進にも取り組みます。
代表取締役 平川昌直
本事業への取り組みの経緯
当社では製品の大半が特注品であること、大口案件の有無により売上が左右されやすいことから、主力となる新規取引先業者および新規分野の開拓による売上の安定化を重要視しております。
これまでは最新設備を積極的に導入し、技術力・製品企画力を強化することで、さまざまな取引先からコンベヤ類などの「薄物加工」を中心とした受注を増やしてきました。その結果、ここ数年で新規分野の取引先からも多くのお声がけをいただいています。しかし、その多くが建設用装置、建設資材などの「厚物加工」であり、現在稼働しているレーザー加工機だけでは薄物加工と同時に受注を受けることが難しい状況にありました。
実施内容(取り組みの詳細)
現在所有しているレーザー加工機は主に薄物加工に使用しており、厚物加工は手作業にて行っていました。そこで今回、厚物加工に使うためのレーザー加工機を増設し、切断加工ラインを薄物加工と厚物加工に分けることを実現。生産性を向上させ、幅広い分野の受注・顧客ニーズへの対応をめざしました。
従来機器は板厚や材質が変わるたびに人の手で段取りや調整といった作業を必要としていましたが、導入した「MAZAKCNC炭酸ガスレーザー加工機」はそれらを自動化できるものです。さらに、レーザー加工機と組み合わせることでオリジナル製品の製作を可能にする「板金CAD/CAMシステム」も導入しております。
取り組み成果・波及効果
レーザー加工作業では扱う物によって作業者の段取りなどが異なりますが、薄物と厚物のラインを別々にしたことでその効率が向上しました。レーザー加工機による厚物加工の自動化が可能になったことで中・板厚のピアシング(穴開け作業)が高速化し、加工時間の合計が90分から30分へと短縮。短納期、多品種少量生産、低価格が実現でき、多様なニーズに対応可能となりました。職人個人の技量によって成果物の品質に発生する差異も最小化でき、クオリティの安定化が図れます。また、手作業によるけがの危険性を軽減でき、従業員満足度向上や離職率低下が期待できるのもメリットです。
事業所の魅力をさらに深掘り!
Q:御社について教えてください
A:各種プラントの設計や製造および据付工事、砕石機械の販売や修理などを手がけております。
Q:御社が大切にしていることは?
A:まずはお客様のご要望にお応えすること。そして協力会社や仕入先との信頼関係を大切にし、良好なパートナシップを築くことです。
Q:御社の社是は?
A:「信用・信頼」を基本理念とし事業を通じてお客さまと社会に貢献する
Q:機械を導入してよかった点は?
A:初期工程である切削作業がスピードアップしたことで、その後の工程も早くなりました。
今後は新たな加工ラインを生かして、近年多くの受注依頼をいただいているトンネル工事や橋梁工事など厚物加工の受注を増加させます。また、既に発注の相談を受けているリニア工事などで使用するインクライン(山などの斜面に建設したレールに台車を載せ、それをウインチのワイヤーロープなどで上げ下げする設備)の製作にも着手し、厚物加工事業の拡大をめざす考えです。
厚物加工の本格受注開始に伴い、機械と人の最適なすみわけを図るべく、最適領域で活躍する技術分野の職人、市場ニーズを踏まえた製品を研究および開発するエンジニア、それぞれの育成に努めてまいります。
INFORMATION
株式会社 中原鉄工所
代表者:平川昌直
住 所:佐賀県武雄市北方町大崎1629-21
連絡先:TEL0954-36-4361/FAX0954-36-5392
U R L :株式会社 中原鉄工所のwebサイトはこちら
資本金:1,000万円
設 立:昭和54年8月
従業員:28人
平成29年度補正/ものづくり技術・一般型
︎この記事の印刷紙面をみる (431KB; PDFファイル)