鹿島印刷株式会社

プロセス改善による納期短縮とブランド・コンサルティング事業への転換

　当社は大正10年に創業し、佐賀をはじめとした九州全域に加え、東京にも拠点を設けて営業を展開しています。主にレストランチェーンのメニュー表や企業のパンフレット冊子、カタログの印刷を手掛けていますが、パソコン・スマートフォンなどの台頭によって市場縮小が顕著になっています。現在、最も注力しているのは本事業で取り組むパッケージ印刷です。パッケージは、まさに「商品そのもの」。消費者にインパクトを与えるには、時に複雑で機能性の高いパッケージが必要です。当社には、高級感と上質感を表現する印刷技術が蓄積され、「パッケージで商品価値を高められる印刷会社」という評価を得て顧客の支持を集めています。

代表取締役社長　平川直樹

本事業への取り組みの経緯

　既存・新規を問わず、お客様から「パッケージを小ロットで製作してほしい」「〇〇日でできるなら依頼したい」という声が常日頃からありました。しかし、現状の設備および人員体制では対応できず、特に納期面で失注するケースが頻発していました。
　当社のパッケージ印刷の製作は、サンプル作成後、「印刷工程（機械化）→型抜工程（機械化）→落丁工程（手作業）」で行うため、手作業の落丁工程を機械化・省力化し、今後の受注拡大につなげたいと考えました。短納期と生産性向上を実現したうえで、余剰となった人材をデザイン部門へ配置し、ブランド・コンサルティング事業のモデル確立を目指します。

実施内容（取り組みの詳細）

　手作業により重大なボトルネック工程になっていた落丁工程に、㈱レザック高速落丁機マスターブランカーBL-K103を導入し、自動化体制を構築しました。
　落丁工程とは、紙からパッケージの型を抜いた後に、不要な用紙部分をむしり落とす作業のことで、手作業のため複雑な形状に対応できず、折れ・曲がりなど品質低下も発生していました。
　新規導入した機械は、落丁工程を機械化・自動化できる設備です。作業と段取り替えを含めた工程を1名体制で実施でき、オペレーションに優れています。

取り組み成果・波及効果

　高速落丁機の導入により、手作業だった落丁工程の大半が機械化されました。顧客ニーズであった短納期は、納品までのリードタイムを平均7日から5日に短縮できるようになりました。複雑な形状の商品パッケージや、多品種・小ロット対応による差別化ができる体制も整いました。機械化により、折れ・曲がり等の不良がなく、作業スピードがアップ。作業人員が3名から1名に削減でき、他の工程に増員できたことで生産性も向上。その結果デザイン部門の増員も叶い、顧客の売上アップに貢献するブランド・コンサルティングサービスの充実が実現しました。

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Q：御社について教えてください

A：創業100年の社歴があり、企画・デザインや商業印刷からパッケージ印刷まで幅広い商材を企画・製造する会社です。

Q：御社の社是は？

A：彩り豊かなライフスタイルを提供し、社会に貢献する

Q：御社が大切にしていることは？

A：ステークホルダー（社員・お客様・取引先・株主・地域社会）の幸せを実現する。

Q：新しく取り組もうとしていることは？

A：UVインクジェットプリンターと大型カッティングマシンを導入したことにより、5cmまでの厚みの資材や紙以外への印刷、小ロットからの提案が可能になりました。

今後の展望・活動予定

　ブランド・コンサルティング事業の組織体制を整備します。プロジェクトチームを発展させ、専門部署とすることで事業展開のスピードアップを実現。これまで短納期や複雑加工の要望に対応できず、失注した先や長期未接触先について、積極的なアピールを行っていきます。また、売上アップに貢献するサービスを確立するため、デザイン事務所やマーケティング専門のコンサルタントと連携し、販売戦略提案型ブランド・コンサルティング事業者としてのモデルを実現します。独自開発として、当社の技術力を生かしたペーパークラフトとして、幼稚園、保育園、小学校、老人ホーム、介護施設等への売り込みを行います。
　企業の社会的責任を果たし、持続可能な社会を目指すため、SDGsを中心としたものづくり、企業活動を支援します。