株式会社 三川
私どもは段ボールの製函および加工を行う機械を開発・製造・販売している企業です。販売先は国内に留まらず、アメリカ、ヨーロッパ、東南アジアにも展開しております。段ボール製造機のメーカーは国内に数社しかなく、中でも当社は多品種・小ロットに強いという特徴があります。営業から製造までの一貫体制によって、お客様のニーズ収集とそれを満たすための製品改良に素早く対応してきました。 現在、段ボール業界における生産量は毎年1~2%のペースで増加傾向にあります。そのため当社のような機械メーカーには、より早く大量にボックスを生産できる設備の製造が求められています。
代表取締役 高取 祐介
本事業への取り組みの経緯
当社が製造してきた機械は、平盤にセットされた抜型を下からプレスして打ち抜く「平盤ダイカッター方式」で段ボールシートを箱状に加工するものです。小中ロットに強く、木型コストが抑えられ、仕上がりが綺麗であることが特徴です。 一方、課題もありました。従来の設備では7トンまでのサイズの部品しかテーブルに載せられません。さらに10トンを超えると当社内での加工が不可能となり、外注先に委託せざるを得ない状況でした。また、精度を維持するためには加工の途中で機械を停止し寸法を確認することを繰り返す必要があるため、時間と手間がかかることもネックでした。
実施内容(取り組みの詳細)
検討した結果、従来の機械よりも段ボールシートが流れるラインのサイズを拡大させた新たな平盤打ち抜き機が必要であるとの結論になりました。当社の強みである一貫生産体制と長年の鋳鉄加工で培ったノウハウを生かして課題を解決すべく、新たに「横中ぐりフライス盤」という設備を導入。従来は7トンまでの被加工物にしか対応できませんでしたが、12トンまで内製化できるようになりました。自動芯出しという機能が搭載されており、芯出しにかかる時間が360分から30分へと大幅に短縮。以前よりも余裕のある重切削が可能となり、スピードも30%アップしました。
取り組み成果・波及効果
横中ぐりフライス盤の導入により、社内一貫生産体制が構築できました。7トンを超える大型部品の重切削加工を高精度、短納期、低コストで生産することが可能となり、他社との競争力を高めることができました。 新設備により機械の可動域も拡大したため、これまで外注していた外周加工などの作業を内製化でき、経費の削減やリードタイム短縮にも成功しております。従来機に比べて芯出し工程の時間を大幅短縮できたことで、全体の加工時間短縮、生産性向上につながりました。さらに作業効率向上と経営改善により賃上げも実現。給与総額ベースで1.25%アップ、従業員32名中31名の給与アップとなっております。
事業所の魅力をさらに深掘り!
Q:御社の社是は
A:至誠一貫・独創開発・親和協力 お客様にとっての品質第一を考え、最高の満足を提供することに努めます
Q:導入して良かった点は
A:機械の性能面はもちろんですが、カラーが白になったので工場内が明るくなりました。
Q:アピールしたい商品(もの・こと)は
A:段ボールを造る機械の営業・設計・製造・アフターまで一貫して行っている数少ない企業です。
Q:興味をひかれたお客様に一言
A:お客さまから「三川の機械を導入して良かった」と言っていただけるものづくりをめざしております。
ボックスメーカー3,000社への営業を行う予定です。 まず既存の当社製品ユーザーに対して優先的に提案を行い、その後は他社メーカー導入先の入れ替えタイミングや稼働状況をヒアリングしながらアプローチいたします。受注した案件の仕様に合わせて新ラインを稼働させ、新たな課題を抽出および検証し、今後へ向けて改善を図ります。生産性をさらに高めるために設備投資と生産体制の改善を継続し、お客様の求める品質や納期に応えていく所存です。 また、様々な角度からコスト削減や経営改善を検討し、社員へ還元して参ります。
INFORMATION
株式会社 三川
代表取締役:高取 祐介
住 所:佐賀県三養基郡みやき町大字西島2973
連絡先:TEL0942-96-3304/FAX0942-96-3308
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資本金:1,000万円
設 立:昭和25年3月
従業員:43人
平成29年度補正/ものづくり技術・一般型