宮本産業株式会社

検査・包装工程の高度化によりパッキング事業の拡大に挑む

　当社は大正８年４月、広島市にてキャップメーカーとして創業しました。昭和23年には一般缶の製造を開始し、昭和27年には金属印刷機械を導入。広島県東広島市と佐賀県三養基郡基山町に工場を構え、お客様の多様なニーズにきめ細かく対応できる一貫製造体制を整えました。企画提案型の営業活動を推進することでソフト部門にも注力し、各種びん容器、パック容器、ダンボールケース、樹脂製品といった包装資材の販売も展開。また、包材の充填作業なども手掛け、製品の完成までお手伝いしております。今回の事業では、検査・包装工程の高度化による付加価値向上とパッキング事業の拡大にチャレンジいたしました。

代表取締役社長　宮本滋

本事業への取り組みの経緯

　私どもが主要取引先としてきた海苔業界では、現在全国的に生産量が減少しています。さらに贈答品用の缶入り海苔の需要が激減し、簡易な包装が多く流通するようになりました。そこで当社では缶以外の多様な材料でのパッキングや充填を行う新事業を展開。他業界からも受注し、新たな経営の柱として育ててきました。その中で課題を抱えたのがパッキング工程です。私どもは容器にシールを貼る機械、異物混入調査のための金属探知機を保有していませんでした。そのため、当該工程を外注する、取引先から設備の貸与を受ける、当該工程を行わない半製品の状態で納品するといういずれかの方法をとらざるを得なかったのです。

実施内容（取り組みの詳細）

　当事業では、課題を解決すべく新型設備を導入しました。「KSバンドシーラー脱気・印字装置付シール機」は、袋などの接着すべき箇所をシートベルトではさんで移動させながら、中の商品を傷めずに袋の空気を抜き、接着する機械です。「金属探知機付きウェイトチェッカー」は異物の検査と重量の測定を同時に行うことが可能で、製品の品質保証精度を向上できます。「円筒貼り機」は、手作業では難しい円筒・角筒容器の側面へのラベル貼り付けを高精度に実現できるものです。様々なサイズや形状の容器に対応できるほか、操作が比較的容易であるという利点もあります。

取り組み成果・波及効果

　これまで外注に頼っていた異物検査・ラベル貼りの工程を内製化したことで、リードタイム短縮やコスト削減の目途が立っています。半製品ではなく最終製品を納品できる体制が整ったため、お客様に対して付加価値の向上を提案できるようになりました。さらに、取引先から貸与されている設備と比較して高性能な機器を導入できたため、ライン全体の製造速度や品質が向上しています。また、従来は別々の装置で行っていた金属探知と重量検査を一つの装置で行えるようになったことも生産性向上に寄与しています。金属探知機やラベラー機を保有しない企業とも取引が可能となり、販路や売上の拡大が期待できます。

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事業所の魅力をさらに深掘り！

Q：御社について教えてください

A：酒瓶などの王冠の製造販売に始まり、現在は美術缶の製造販売、各種包装用資材全般の販売なども行っております。

Q：アピールしたい商品（もの・こと）は

A：活性酒専用のキャップを製作し、全国の酒蔵で使っていただいております。特許出願中です。

Q：新しく取り組もうとされていることはありますか

A：皆様のニーズをしっかりと捉えながら、従来の缶以外にも幅広い素材を扱っていきたい所存です。

Q：興味をひかれたお客様に一言

A：人にやさしい環境の実現をめざしながら、喜んでいただける製品づくりに励んでまいります。

今後の展望・活動予定

　今回の課題解決により、当社がパッキング事業者として新たな展開を行っていくための懸念が払拭されました。今後は当該設備をさらに活用できるような案件を獲得すべく、既存取引先に働きかけ、新規の取引先も開拓してまいります。特にこれから取引拡大を見込んでいるのは、消費が伸び続けている菓子業界です。実際、既に菓子缶の需要があるほか、ペット容器や袋による菓子の包装および充填を希望される引き合いもいただいております。将来的には菓子の他にも多様な業界の開拓を積極的に進めることで、売り上げ向上や事業拡大を図っていく予定です。