株式会社ＹＳＫ

シャフトの生産プロセスを改善高まる多品種少量短納期へのニーズに応える

　当社は佐賀県有田町に九州工場を構えるシャフトメーカーです。リニアシャフトを主力製品とし、産業機械に用いられる駆動軸、偏心シャフト、ロール、スピンドル、台形ねじなどを製造販売してきました。創業当時からの強みは多品種少量生産に対応できることです。当社の製品は業界や業種を限定せず幅広い分野で使われており、少ロット対応、柔軟なオーダーメイド対応、リードタイムの短さを評価いただいてきました。近年はライフスタイルの多様化を背景に製品ライフサイクルの短縮化が見られる中、多品種少量短納期への要求がますます高まっております。これにお応えすべく、今回の事業にて生産プロセスの改善に着手しました。

代表取締役社長　寺澤英樹

本事業への取り組みの経緯

　多品種少量短納期へのニーズに対応するため、これまで24時間２交代制の導入による機械稼働率アップ、ロット数による加工機械の分担の見直し、加工条件の改善、作業者の多能工化などに取り組んできました。それでもお客様の要求には応えきれず、失注している額は年間１億円を超える状況となっています。この状況を打開するためには、多品種少量短納期生産を強化する設備投資、社内体制や作業の改善を進めることが欠かせません。そこで生産性向上の鍵となる上流工程の「旋盤工程」の課題を解決すべく、新型高性能のCNC旋盤の導入を決めるに至りました。

実施内容（取り組みの詳細）

　従来の設備では操作性やプログラム作成速度の面から、能力的に限界がありました。今回導入したCNC旋盤では、最新のオペレーティングシステムにより操作性が向上。対話形式でプログラム作成できる機能を有しているため、プログラム作成の負担軽減とスピードアップが実現できました。また、自動調心振れ止め装置が搭載されており、手作業での調整が不要となり振れ精度の向上と段取り時間の削減も実現できています。端面のねじ加工や穴加工の効率化も図ることができたほか、旋盤加工とフライス加工を一つの機械で連続して行えるようになり工程の短縮にもなりました。

取り組み成果・波及効果

　海外メーカーでは、輸送時間を考慮するとお客様が求める短納期での対応は難しいものです。当社が国内での部品生産を発展的に継続することで、エンドユーザーの各種機械装置の多様化や短納期要望に対応でき、国内の機械装置メーカーに貢献していけると考えます。今回の事業による生産体制の強化により、受注額が増加することで地域雇用の拡大をめざせる体制が整いました。また、生産性の向上により１％を超える賃上げといった社員の待遇向上も実現できております。新しい設備は操作性が高く段取りも容易であるため、熟練工に頼らず誰もが扱えるようになるという効果も見られました。

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事業所の魅力をさらに深掘り！

Q：御社について教えてください

A：創業当時から多品種少量製品のオーダーに対応してきたシャフトメーカーです。

Q：御社の経営理念は

A：YSKに関わるすべての人たちを幸せにする。

Q：アピールしたいことは

A：多品種小ロットをメーカー品質でご提供します。材料からの一貫生産でオーダー製品をご提供します。難しい製品にチャレンジし、お客様要求の製品をご提供します。

Q：興味をひかれたお客様に一言

A：シャフトでつながり、シャフトで結ぶ、シャフト一本からの未知数の関係」を大切に、機械産業分野に貢献します。

今後の展望・活動予定

　当社のビジョンである「精密シャフト分野のリーディングカンパニー」をめざし、加工技術、加工精度、品質を向上させるべく、機械設備や品質管理の強化、人材育成などに努めてまいります。DXの一環として、CAD/CAMや生産管理データを活用するなどして生産性の向上にも取り組みます。また、今後は航空宇宙防衛、医療機器、環境保護機器といった新たな分野への参入を見据えて、試作や加工技術開発を行うチーム体制を構築する予定です。培ってきた経験と新しい技術を駆使しながら、高度化するお客様のニーズに応えられる「YSKの価値」を磨いてまいります。