株式会社　中川自動車

新型の溶接機を導入し顧客満足と従業員満足を実現

　私どもは昭和38年に創業し、昭和63年に法人化した、佐賀市東部の国道沿いに位置する自動車整備業者です。地域密着の営業で業歴を重ね、その中で培った安定した顧客基盤を大切にしてきました。グループ企業に自動車販売店、自動車保険会社を持ち、お客様のカーライフを一貫してサポートする体制を整えております。そして現在はリサイクルパーツの取り扱いや海外輸出事業へと幅を広げるなど新たな取り組みにチャレンジ。平成27年からは代表の長男が部長職に従事しており、後継者としてキャリアを積んでおります。今回は顧客満足度向上と働き方改革実現をめざし、新型スポット溶接機を導入しました。

代表取締役　中川龍美

本事業への取り組みの経緯

　現在自動車メーカー業界では、収益増加に伴い潤沢な資金による研究開発投資が進んでおります。当社にも新しい材料や技術が使われた車種が持ち込まれ、これらを整備、修理するためにより一層高度な技能が求められるようになりました。特に、強度だけでなく外観の意匠性や高級感に直結する溶接技術において、自動車メーカーと同等の高い品質が求められています。一方、業界では整備士の人手不足が深刻化しております。当社でも従業員の技術習得に注力していますが、教育だけでは限界があるのが実情です。また、従来の設備では難しい工程も出てきております。

実施内容（取り組みの詳細）

　高張力鋼板のスポット溶接においては、適性溶接条件の選定や施工方法の検討を厳密に行う必要があり、現場の負担となっております。また、板厚が異なる三枚重ね溶接は、従来の炭酸ガスアーク溶接・スタッド溶接設備ではほぼ不可能でした。こうした課題を解決するために導入したのが「YSI-25EZ-P水冷スポット溶接機」です。当事業を、代表と常務のほか後継者である部長の担当により進めました。従来の設備では二枚重ねの溶接でも難しい状況でしたが、新たな設備では、板厚が異なる三枚重ね溶接が可能となっております。品質面も、自動車メーカーと同程度まで押し上げることができました。

取り組み成果・波及効果

　従来の設備では手作業が多く、溶接工程全体で１時間ほどかかっておりました。しかし新設備では、三枚重ね溶接工程を10分程度で完了できるようになっております。また、溶接する前の条件設定を以前はアナログのつまみで行なっておりましたが、現在は主要な条件をバーコード読み取りで設定でき、その他の条件も人口工学に基づいた操作性の高いデジタルパネルで設定できるようになりました。県内では数少ない「自動車メーカーと同等の溶接品質」を提供できる事業者となり、同業他社に対して優位性を確立できる体制が整うことで、よりよい車社会の実現と従業員の負担軽減への見通しが立っております。

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事業所の魅力をさらに深掘り！

Q：御社について教えてください

A：自動車整備・板金業をはじめとしたトータルカーライフサービスを展開しております。

Q：御社が大切にしていることは

A：お客様第一主義で、実績に裏打ちされた「総合力」で皆様のニーズにお応えすることです。

Q：導入して良かった点は

A：新車のような仕上がりを実現できるようになりました。

Q：新しく取り組もうとされていることはありますか

A：超大型リフトの導入などを行い、さらなる作業効率アップを図ります。

今後の展望・活動予定

　今後は新たな設備を生かし、あらゆる顧客ニーズに対応していく所存です。全国動向と同様、当社でも若手人材の確保が進まず、慢性的な人材不足や従業員の高齢化が課題となっているのが現状です。今回の事業で生産プロセスが改善され業務が効率化したことを契機に、無駄な残業をなくし、高齢となっても働きやすい環境を整備いたします。また、お客様のカーライフを多角的にサポートできるよう幅広い事業展開を進めていく考えです。当社を支えてくださる地域の皆様に感謝し、必要とされる存在であり続けたいと思っております。