通則

小規模事業者の判断について

今般、設立途上の事業協同組合の設立同意書の中に、中協法第7条に規定する小規模事業者の範囲を超えた事業者が含まれているが、どのように対処したらよいか?

中協法に基づく事業協同組合の組合員となることのできる者は、小規模の事業者であるが、その規模の基準は、中協法第7条に規定されているように、資本の額又は出資の総額が1億円(小売業又はサービス業を主たる事業とする事業者については1,000万円、卸売業を主たる事業とする事業者については3,000万円)を超えない法人たる事業者、又は常時使用する従業員の数が300人(小売業又はサービス業を主たる事業とする事業者については50人、卸売業を主たる事業とする事業者については100人)を超えない事業者となっている。
しかしながら、この基準を超える事業者であっても、実質的に小規模事業者であると認められれば組合員になれることになっている。したがって、設立途上の設立同意者については、その事業者の従業員数、資本の額又は出資の総額並びに資本力及び市場支配力等諸般の実情を勘案して発起人が小規模事業者と判断した場合には、いったん組合員たる地位を与え、組合成立後に公正取引委員会に届け出ることとなる。この場合に公正取引委員会から実質的に小規模事業者でないと最終的に認定されるまでは、その組合員又は組合に対して特別の措置がとられることはないのである。(3-3)

支店の組合員資格について

小売業を営む者で組合の地区内に支店があって、当該支店は従業員50人以下である。地区外の本店は従業員50人以上で、しかも資本金が1,000万円を超えている場合、この支店は組合員資格に疑義があるか?
疑義があるとすれば公正取引委員会に届け出る必要があるか?また、その場合の手続方法は?

組合員資格に関する使用従業員数の数は、本支店合わせたものとされているから、ご質問の場合明らかに50人を超え、しかも資本金が1,000万円を超えているので、公取委への届出が必要である。 ただし、組合員たる資格は従業員数、資本の額又は出資の総額が絶対的要件でなくその事業者の資本力、市場支配力、組合の内容等諸般の実情を勘案して判断すべきである。なお。当面その判定は組合自体が行うことになる。
なお、公取委への届出の様式及び内容については、「中小企業等協同組合法第7条第3項の規定による届出に関する規則」(昭和39年2月7日公正取引委員会規則第1号)に具体的に定められている。(4-4)

公正取引委員会への届出について

中協法第7条第1項第1号に規定する中小企業者の規模を超え、数カ所に支店をもつ業者が、各支店所在地に存在する組合に加入する場合、公正取引委員会への届出は、本店所在地の組合のみでよいか?

中協法第7条第3項の届出義務は、組合に対して課せられたものであって、組合員が他の組合に重複加入している場合でもそれぞれ加入している組合に届出義務がある。(4-5)

組合加入資格と独占禁止法の関係について

私どもの組合は、一般機械器具製造業者で組織する事業協同組合ですが、最近、当組合の地区内に本社を置く資本金1億5千万円、従業員350人の中堅機械メーカーA社が、当組合に加入の申し込みを行ってきました。当組合としては、組織強化のためA社を受け入れたいのですが、このように法律上の中小企業者の範囲を超える事業者であっても、組合に加入できるのでしょうか。

この問題は、(1) 事業協同組合の組合員資格と、(2) 独禁法との関係、の2つの問題に分けて考える必要があります。
(1) まず、事業協同組合(以下、「組合」という。)の組合員資格は、中小企業等協同組合法(以下、「組合法」という。)第8条で「小規模の事業者」であることが定められており、いわゆる大企業は組合には加入できないことになっています。これは、組合が中小企業者のための組織制度として設けられているからにほかなりません。
この小規模事業者の基準は、組合法第7条第1項第1号に定められており、製造業の場合は、資本金が1億円以下であるか、常時使用する従業員数が300人以下であることがその要件となっています。したがって、A社の場合はこの基準を超える事業者ということになりますが、ただ、小規模事業者であるか否かの判断は、この基準のみによって行われるものではなく、これを超える事業者であっても、その事業者の競争力、市場支配力、地域経済の実情等、諸般の実態を検討したうえで実質的にみて小規模の事業者と認められる場合は組合員となる資格を有することになります。そして、この実質的小規模事業者であるか否かの判断は、加入の申し込みがあった際に組合自身が行うことになります。
(2) 貴組合の判断によってA社が実質的小規模事業者と認定され、組合への加入が認められたとしますと、次に独占禁止法(以下、「独禁法」という。)との関係がでてきます。まず組合は、小規模事業者の基準を超える事業者が組合に加入している場合には、その事実が発生した日から30日以内に公正取引委員会に届け出ることが義務づけられています。
独禁法は第24条によって、事業協同組合等については小規模事業者の団体として、同法を適用しないこととしています。つまり、組合はその小規模事業者団体性をもって独禁法の適用除外団体とされているところから、小規模事業者の基準を超える事業者が組合に加入しているときは、公正取引委員会はその事業者が実質的にみて小規模事業者でないと認めた場合には、独禁法の適用除外が解除され、その組合に同法が適用されることになります。先に述べた公正取引委員会への届出は、同委員会がこの認定を行うについてその事実を知るために義務づけられているものです。ただし、公正取引委員会のこの認定は、届出がなされた時に行われるのではなく、組合の共同行為に問題が生じたときに行われているようです。なお、認定により独禁法の適用を受けても組合は存続します。
また、公正取引委員会は、この認定権の行使のほかに、組合法第107条により、常時使用する従業員数が100人を超える事業者が実質的に小規模事業者でないと認めるときは、その者を組合から脱退させることができることになっています(排除権)。
この認定権と排除権の関係については、公正取引委員会は、認定権を行使して組合そのものに独禁法を適用するか、あるいはこの排除権を行使して大企業を排除するか、いずれか一方の措置を選択することができるものと解されています。(89-1)

商工会議所加入を組合員資格要件とすることについて

商工会議所の会員であることを組合員の加入資格とすることは適当か?

事業協同組合は、組合員の経済的地位の向上をはかるための組織として、組合員が共同して経済事業を行うものであり、したがって組合員の資格の決め方は経済的要件に限るのが適当で、「会議所の会員であること」と規定することは、経済的な見地からみて必要性が認められず、いわゆる資格事業という概念に該当しないと思われるので、適当でないと考える。 (12-14)

社団法人会員であることを組合員資格要件とすることについて

(財)不動産流通近代化センターの発足により、全国的に不動産業者の組織化が図られているが、(社)宅地建物取引業協会○○支部で、○○地区不動産協同組合の設立諸準備を進めているところであるが、定款の組合員資格に「社団法人○○宅地建物取引業協会の会員であること」と規定することはさしつかえないか?

社団法人との協調の内容、組合の設立趣旨・事業内容等が判然としないので判断しかねる点はあるが、一般的には、次のような理由からご照会の事項は適当でないものと考える。
(1) 組合員の加入資格は、経済的条件に限るべきであるが、本件では、経済的にどのような必要性があるかあいまいである。
(2) この場合、社団法人会員であることをもって、企業規模等の一定水準にある者を確保するという趣旨も考えられるが、これは、同水準にある非会員企業の加入を制限することとなる。なお、企業規模等による区別は、組合の趣旨から、特別の理由がある場合を除き、適当でないところである。
(3) また、社団法人会員であることをもって、協調性・事業近代化への積極性等を判断する材料とする意図も考えられるが、かかる抽象的な事項を組合員資格として定款に規定することは適当でないところである。
(4) 組合が他の団体の意向等に左右されるため、組合の独立性・自主性が失われるおそれがある。すなわち、加入脱退、事業実施等が他の団体の意向に左右され、組織、事業運営両面が不安定となり、意見決定等における自主性がそこなわれるおそれがある。(12-15)

下請業者の集団化における組合員資格の決め方

組合員資格は取引の分野(特定会社の下請業者、特約店)によって定めてもよいとされているが、集団化の場合は、組合員資格を取引関係によって規定すると、親企業との取引関係がなくなった場合に資格喪失により組合員でない者が団地内に施設を設置していることになり、好ましくない事態が生ずることとなる。したがって、下請業者の集団化の場合は取引関係によって組合員資格を定めることは適当でないと思われるが、その是非を回答されたい。

下請業者の集団化組合の場合は、ご意見のとおり、組合員資格を親企業との取引関係によって規定することは、集団化の特殊性を考慮すれば十分検討の要があるものと考える。
しかしながら、親企業の共通する下請業者がそのことに着目して組織化することは、それなりに意義のあることであり、集団化の場合も同様のことがいえる。また、制度的には、その意図をもった組合設立の場合に、組合員資格を特定親企業と取引きするものと規定しないと加入自由の原則によって、当該親企業と取引関係のない者の加入を拒めないことになり、ひいては意図した組織化の方向が阻害されることとなる事態も考えられる。
したがって、下請業者の集団化の場合にはこのような組合員資格の定め方には十分検討の要があるが、取引分野によって組合員資格の定め方も差支えないというのが通説でもあり、参加者のなかに将来当該親企業との取引関係がなくなることが明らかに予見される等のことがない限り、このような組合員資格をもって組合設立を行いたいとするものに対して、これを不適当と断定することはできないものと考える。(13-16)

設立過程の商工組合の地区と支店の組合員資格について

1.設立しようとする商工組合の地区内において、地区外に本社を有する会社の支店がある場合に、この会社は組合員資格を有するかどうか?この場合、組合員資格について中協法の解説では、支店が地区内において資格事業を行っていれば、本社が地区外にあってもその法人全体の名において加入できることになっているが、中協法における「事業を行う」と中団法における「事業を営む」との関係についての解釈をもあわせてご教示下さい。
2.例えば法人全体の名において加入できると仮定した場合、申請書に記載する法人の所在地は地区外にある本社の所在地とすべきかどうか?

1.組合が定めた地区内で、組合員たる資格に係る事業を営む拠点を有している事業者は、組合員資格を有し、この場合事業を営む拠点は主たると従たるとを問わない。
従って、ご質問のように本社は地区外にあるが支店は地区内にあり、かつそこで資格事業を営んでいる場合は組合加入資格を有するものである。
この場合、支店は独立の法人格を有する事業主体ではないから、法人全体の名において加入することとなる。
なお、事業を営む者とは、営利を目的として事業を継続反復して行う者をいい、事業を行う者は必ずしも営利を目的とすることを必要としないので、事業を行う者より狭い概念である。

2.上記の如く、支店は法人の機関であって独立の法人格を有する事業主体ではないから申請書に記載する法人の所在地は、主たる事務所の所在地(民法50条)たる本社の所在地を記載することとなる。 なお、このように法人全体の名で加入し、その所在地を本社の所在地とする場合にも、商工組合が調整事業を行う場合は「一定の地域」における事業活動を制限することによって不況事態の克服等を図ろうとするものであるからその地区で行う事業活動の制限は、その法人の地区外の事業活動(地区外の支店、工場、、事業場の活動等)には及ばない。
更にこの場合、その法人の地区外の事業活動をも、調整事業に従わせなければ効果があがらないとするならば、その事業活動をも含ませるよう、組合の地区を更に拡げるのが適当であると解する。 (186-223)

組合の政治的中立の解釈について

中協法第5条第3項において規定する「組合は、特定の政党のために利用してはならない」とは、政治活動を一切禁止しているものと解釈すべきか否か?

中協法第5条は、中協法に基づいて設立される組合が備えていなければならない基準と運営上守るべき原則を規定したものであり、第1項で基準を、第2項及び第3項で原則を示している。
設問の中協法第5条第3項「組合は、特定の政党のために利用してはならない」の規定は、通称政治的中立の原則と称されるもので、中小企業者等が共同して事業を行う組織である組合は、経済団体という基本的性格を逸脱して政治団体化し、特定の政党の党利党略に利用されることは、組合の本来の目的からみて当然のこととして禁止している訳である。
しかし、本規定は、組合の外部勢力により、あるいは組合内部の少数者によって、組合が政治目的のために悪用されることを防止する趣旨であり、したがって、総会等で特定候補者の支持を決議し、その者への投票を組合員に強制すること等を禁じているものと解されるので、組合の健全な発達を図るための例えば国会等への建議、陳情等までも禁止する意味をもつものではない。(15-18)

組合役職員の政治活動について

「組合は、特定の政党のために利用してはならない」という規制(中協法第5条第3項)以外に、中協法には特に規定していない。
したがって、その趣旨に反しない限り、組合の役職員は、公民として有する政治活動は規制されないと解され、また、公職の候補者となることについても、道義上理事会の同意を求めるなり、就業規則の定めるところにしたがい最高責任者の許可を得た範囲で行うことについても同様禁止事項に該当しないものと解されるが、見解を承りたい。

中協法第5条第3項の趣旨は、組合の外部勢力により、あるいは内部の少数者によって組合が政治目的のため利用されることを防止することにある。
具体的な内容としては、「組合の名において」特定の公職選挙の候補者(組合の役職員が候補者である場合を含む)を推せんしたり、あるいは総会等において特定の候補者の推せんや特定政党の支持を決議することなどが該当すると解する。
したがって、組合の役職員が、本条の趣旨に反することなく、個人の立場で政治活動を行い又は、公職選挙に立候補することは何ら差支えなく、憲法上認められた国民の権利として当然のことと考える。(16-19)

組合の株式取得の是非について

事業協同組合は組合員たる株式会社の株式を取得することができるか?

組合が組合事業の遂行に益する関連機関の株式を所有すること及び余裕金を管理する一方法として安全有利な株式を所有することは可能である。ただし、利殖事業として株式を所有することは、組合の事業目的を逸脱することになる。(17-20)

組合員が1人となった組合の存続について

中小企業等協同組合の組合員が1人となった場合は、中協法第62条に規定する解散事由には該当しないが、同法の目的(第1条)及びその目的達成のための組織並びに運営に関する諸規定の趣旨から当然に解散になるものと解するがどうか?

中小企業等協同組合は、組合員数がいわゆる法定数を下回ることになっても、当然には解散しない。 なぜならば発起人の数(中協法第24条)、役員の定数の最低限度(同第35条)、持口数の最高限度(同第10条第3項本文)の面からみれば、組合員数は一見4人(連合会にあっては2組合)以上なければならないようであるが、これは組合の存続要件ではなく、設立要件であって、欠員の場合も十分に予想しているからである。
問題となるのは設例の場合のように組合員数が1人となった場合であるが、現行法上においては、この場合にも組合は解散しないものと解する他はない。因に商法第94条第4号で「社員ガ1人ト為リタルコト」を法定解散事由と定めているが、中協法においては、これを準用していないからである。 しかしながら、組合員が1人となった場合は組合は人的結合性は完全に失なわれ、法の目的に反する結果となるので立法論としてはこれを法定解散事由に加えるようにすることも考えるが、現行法上は中協法第106条によって措置すべきであろう。(19-22)

賛助会員制について

平成3年、中小企業庁の通達により、組合に賛助会員制度を設けることが認められたと聞きました。私どもの事業協同組合でも、賛助会員制の導入を検討しておりますが、次の点についてご教示下さい。
(1)賛助会員の資格に制限はあるのでしょうか。
(2)賛助会員の組合事業利用は、員内利用扱いとなるのでしょうか。

平成3年6月に、事業協同組合等の模範定款例の一部改正(平成3年6月12日付3企庁第1362号、中小企業庁指導部長通達)が行われ、賛助会員制に関する規定が定款例に次のように位置づけられました。

第7章 賛助会員
(賛助会員)
第50条 本組合は、本組合の趣旨に賛同し、本組合の事業の円滑な実施に協力しようとする者を賛助会員とすることができる。ただし、賛助会員は、本組合において、法に定める組合員には該当しないものとする。
2 賛助会員について必要な事項は、規約で定める。

この賛助会員制が定款例に位置づけられた趣旨は、組合が賛助会員制を活用して外部関係者を組織化することにより、その協力と理解を得るなど、最近特に重要性が高まっている組合と組合外部との交流・連携を促進しようというものです。したがって、単なる資金集めのためにこの制度を活用することはできません。
(1)賛助会員の資格は、定款例には、「本組合の趣旨に賛同し、本組合の事業の円滑な実施に協力しようとする者」となっており、このほかに特に資格についての制限はありません。賛助会員の資格は、組合の実情に応じて定めることができますが、外部関係者を組織化することにより、その協力・理解関係の一層の増進に資するという賛助会員制の主旨に留意し、その範囲を逸脱しないようにすることが肝要です。
また、賛助会員は法に定める組合員には該当しないので、注意が必要です。

(2)賛助会員は組合員ではないので、定款に定める組合事業を利用する場合は、員外利用に該当することになります。
組合が賛助会員に対して行う利便の供与等の事業活動としては、例えば、(1) 組合が作成または発行する資料等情報の提供、(2) 組合または組合員との情報交換のための懇談会等の開催、(3) 賛助会員に対する指導・教育、(4) その他賛助会員制の設置目的を達成するために必要な事業等が考えられますが、これらの事業活動は、あくまで賛助会員制の主旨を逸脱しない範囲で行うことができるものです。 また、組合が賛助会員に対して行うこのような事業活動は、直接の利用者が賛助会員であっても、その利用の態用が組合員の利用と競合する(組合員の利用に支障を与える)ものではなく、むしろ組合員への奉仕という組合本来の目的の達成のために必要な事業として行うのですから、この場合の賛助会員の利用は、員外利用には該当しないと解されています(平成3年6月12日付3企庁第1325号、中小企業庁指導部長通達「中小企業等協同組合法及び中小企業団体の組織に関する法律の運用について」において、員外利用の概念が明示されているので、参照されたい。)
最後に、定款例では、賛助会員についての必要な事項を規約で定めることとしていますので、賛助会員制を導入する場合は、規約を設け、制度の内容を明確にしておくことが必要です(全国中央会作成の「規約例」を参照されたい。)。(92-10)

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